唾液、ガム、虫歯予防…一見、あまり関係の無さそうな三つですが、実はとても深い繋がりがあるのです。ガムを噛んで、唾液を流せば虫歯予防になるとすれば、これ程簡単なことはないでしょう。
都合の良すぎる話ですが、実は本当なのです。ガムを噛めば、虫歯予防となるのです。
唾液とは、食事の際に重要な役割があります。噛んだ食べ物を胃で消化するための手助けや、飲み込みやすくする手助けをしてくれるのです。
しかし唾液の効果は、それだけに留まりません。歯に残った汚れを洗い流し、虫歯菌が吐き出した酸を中和し、溶かされてしまった歯を復元(再石灰化)させるなど、虫歯から歯を守る効果がいくつもあるのです。
しかし困ったことに、唾液が出るのは、空腹時に美味しそうな匂いを嗅いだ時や、食事の最中に限定されます。食後、虫歯菌によって荒れてしまった歯を守るために唾液が必要なのに、食事中ほどの唾液は出ないのです。
食後、歯を守るために唾液の分泌を促すための、良い方法というのが、ガムを噛むことなのです。
唾液が出るように促す一番の方法は、咀嚼することです。ガムは他の食べ物とは違い、口の中で溶けにくいため、長時間噛み続ける事が可能です。
さらにガムは、歯の表面や、間に残った食べ残しや汚れを吸着し、取り除くことができます。
ガムを食後に噛むことで、汚れを取り除きつつ、まるで食事中であるかのように唾液の分泌を促すことができるため、虫歯予防に効果的なのです。
しかし、ガムに砂糖が含まれていては、あまり意味がありませんので、ガムの選び方に気をつけましょう。
キシリトールとは、砂糖のように甘みを感じるものですが、砂糖のように虫歯の原因とはならない、夢のような甘味料です。
今は多くの種類のガムが発売されていますが、キシリトール入りのシュガーレスガムが、虫歯の予防として、とても有効なのです。
ガムを噛むことで唾液を促すことができますが、一方で唾液の分泌を妨げてしまう行為があります。
唾液は、水分補給を怠るとその量が減ってしまいます。
鼻で呼吸せずに、口で呼吸してしまうと、口内が乾燥します。唾液の量が減りますので、虫歯を加速させてしまうのです。
タバコを吸うことで、唾液の分泌量は減ってしまいます。喫煙の習慣をやめることは困難かもしれませんが、虫歯だけでなく歯周病をも進行させてしまいますので、歯にとっては決して良くありません。
キシリトール入りのガムを噛むことで、虫歯予防への効果が期待できますが、歯ブラシによるブラッシングをやめてしまっては、意味がありません。
生活の合間にガムを噛みつつ、食後のブラッシングを欠かさないようにすることで、初めて虫歯予防は成立します。
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